2022.10.30
リアル講義で思うこと
日経新聞の春秋に先日掲載されていたコラムに思わずうなずいた。
コロナ禍を越えて最近の企業においてリモート継続か出勤再開か。
経営層と社員、上司と部下、といろいろなシーンで意見が分かれたり、
方針がまちまちだったり、としているらしい。
そんな中、スタジオジブリの月刊誌「熱風」最新号で精神科医アンデシュ・ハンセン氏が
スウェーデンの近況を紹介している。
経営者は出勤を求め、社員は予想外に従っている。理由の一つは孤独だという。
もともと人類は孤独に弱い。
そのため言葉だけでなく細かい表情や身振り手振りから相手の意図を汲む能力を培った。
リモートではこうした非言語情報が得られず、帰属意識を持ちにくい。
握手などの接触や一緒に笑うことも仲間意識を育むが、これもリモートで失われたとみる。
ハンセン氏の解説にコラム執筆者もなるほどと納得しているという。
最近、私の仕事においても、
リモートだけでなくリアルな場での講義が一部の企業で再開された。
リモートでも必要十分な講義研修が実施できていたと思っていたが、
やはりリアルで顔と顔を付き合わせていると、
この人はしっかり理解している、この人はちょっと不安そうだ、
といった個別の状況が表情やしぐさ、声のトーンなどで手に取るようにわかるのだ。
リアルでの非言語情報の重要性を再実感した。
リモートはその良さがあることは確かだし、
リモートの手軽さに慣れすぎて、ついついリモートで済ませがちだが、
大切なことを失っていることにも、
そろそろ気づくときに来たのだと思う。
筆:黒沢