2020.09.23
二子玉川でのイベントに思うこと
さる9月18日-20日の3日間、
二子玉川の多摩川河川敷にある兵庫島を会場として
「Futako Tamagawa Light It Blue Park」
~青い光に感謝と祈りを込めて~
と題したイベントが開催された。
数日前に自宅ポストに冒頭の告知チラシが投げ込まれて知ったもの。
チラシを見る限り、
コロナ禍の中で奮闘する医療関係者への感謝とコロナ鎮静への祈りが趣旨らしい。
スマフォから二子玉川地域の医療・介護の事業者に向けたメッセージを届けようとも。
一方で、チラシ文面の中に、
「二子玉川の夜の水辺を青の光で照らし、国道246号橋脚を巨大なキャンバスに。
新しい生活様式に即した、地域の人々の憩いと共感の場へ」
と綴られてもいる。
主催は一般社団法人二子玉川エリアマネジメンツ、
後援は国交省京浜河川事務所と世田谷区、
協賛・協力はニコタマエリアの企業や団体など多数が参加。
チラシ末尾に※印で「この事業は東京都・東京観光財団のナイトライフ観光振興助成金を活用して実施しています。」とのこと。
二子玉川の水辺でのイベントだということは理解できるが、
チラシからは、「なぜ今ごろ、なぜニコタマで、本当の目的は、、、???」
という違和感と唐突感がイベントの興味より先行した。
実際に行ってみると、
なるほど水辺の遊歩道沿いは青い光でライトアップされ美しく演出されているし、
橋脚には今の世情を受けたアートが描かれていたりしているが、
広場では地ビールやケータリングカーでのフード販売、
アウトドア関連の実演やライブ演奏が繰り広げられていて、
コロナ禍の鎮魂というよりは秋のアウトドアフェスタ感が強く、
チラシ同様に、どうもコロナ禍での応援を建前とした、
中途半端な集客イベントという印象しかなかった。
その後、いろいろと調べてみると、
そもそもは五輪開催に合わせ訪日外国人への夜の観光促進を目的にした
東京都の助成金企画に対し主催者がエントリーして獲得した
「地域の新たなナイトライフの取組への支援事業」だったのだ。
コロナ禍で五輪延期・外国人観光客ゼロになっている現状で、
本来の目的での支援にならないことを100も承知で、
しかもコロナ禍で都の財政がひっ迫している中で、
見直すこともせず助成金を最大500万円も支出する東京都も倫理感が欠落しているし、
実施する側も、予定通りに実施するためになのか
世情受けする名目に差し替えるだけで
中身の大半は当初の計画を踏襲しているようだ。
この主催の二子玉川エリアマネジメンツが
このエリアの活性化や環境啓蒙のために地元のコンテンツを活用して
盛り上げることは全く賛成だし、ぜひ続けていただきたいと思う。
言いたいのは、
行政の補助金(助成金)の使い道の有効性の低さや
事業が走り出したら見直すことをしない体制(体質)。
主催側のそこにぶら下がって既得利益の行使として実施したことで、
当イベントの本来の意義と価値を捨てて、
底浅いイベントに化けてしまったことが見え透いてしまっている、
ということだ。
イベント業を生業とするわが身として、
とかく実施することが主目的化することになりやすい中、
趣旨やゴールをしっかり押さえ、その達成に向けてブレない企画を
常に意識することが大切だと感じた題材だった。
延期した五輪も本来の趣旨からブレずに進めてほしいと願う。
筆:黒沢