2016.05.25
TO THE END OF THE WIND ~風の果てまで~
先週、国技館の次は武道館に行ってきた。
斉藤和義の全国ツアーの東京公演。
土日2日間開催の日曜日。
九段下駅の出口を昇ると思いのほか大勢の人たちが会場方面に向かう。
おおむね40歳代以上か!?
「わりと人気あるんだなあ」と思う。
というのも、彼のコンサートは初めての機会。
知人の紹介で公演を知り、たまたまチケットが取れたから。
実は、いままでほとんど彼のことは知らなかったし、
持ち歌だってヒット曲くらいしか知らない。
ただ、聴いたことのある彼の曲は、
歌詞が自分好みだったし、メロディも心地よかったので、
この機会にトライしてみた。
その感想は、
もちろん歌もよかったけど、
本人もサポートメンバーも演奏がめちゃ巧く、
たった5人の編成であれだけ聴きごたえのあるライブはひさびさ心に浸みた。
ギターもベースもピアノもドラムもたっぷり楽しませてもらった。
最近サザンはサポートメンバーも演出も充実していて、
ライブというよりエンターテインメントに近いので、
今回のシンプルなライブに本質的な魅力を再発見できたのがうれしかった。
もうひとつの発見は、
斉藤和義の歌詞のセンスが抜群。
日常のさりげない様子や言葉を使いながら、
人々の奥にある心根をうまく表現していることに感心する。
もともと彼をきちんと知ったのは、
東日本大震災の福島原発事故に強く抗議するメッセージソング、
「ずっとウソだった」を聴いたときだった。
替え歌なのに、
的確に、辛辣に、怒りと悲しみの現実を、そして未来を憂う、
その歌詞の凄さに感動したことを今でもはっきり覚えている。
けだるく、ねばっこく語るように歌う斉藤和義。
彼の魅力は奥が深い。
次もぜひ行きたい。
筆:黒沢