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2022.02.15

民主的な合理的期待値理論の思考法

今朝の日経新聞「エコノミクストレンド」(経済教室)に

気になる記事が掲載されていたので紹介したい。

コロナ禍の中でTVに頻繁に登場していた慶応大学教授、

小林慶一郎氏の記事である。

 

タイトルは非常に難解に感じるが、

内容は至ってシンプルかつ有益なコラムである。

超あっさりまとめると、

民主的な合理的期待値理論というのは、2つの合理性を持っている。

1つは、いわゆる一般的な合理性。迷信にとらわれない数学的な思考や論理性のこと。

2つめが、相手(他者)の気持ち(思考や期待)を推し量って自分の考えや行動に繋げること。

だということ。

「自分が相手の立場だったらどう考え、行動するだろうか」と

自分も相手も平等な存在として思考することで民主的なのだと。

それに対して、

陥りやすい思想がパターナリズム(家父長的な権威主義)というもの。

暗黙の裡に相手は自分より愚かだと考え、自分の考えを優先する思想である。

とかく偉そうな人ほど陥りやすく、

その例が官僚が政策を考えたりする際だったりと。

新型コロナ拡大の中で続いたPCRなどの検査抑制対応が例として挙げられている。

保健政策としての検査抑制が逆に国民の不安を拡大させたということだ。

個人的にはアベノマスクもワクチン3回目接種も根はすべて同じことだと思われる。

この思考法は、なにも経済理論だけでなく、

仕事でもプライベートでも日常的にとても重要だ。

コンペでも相手の気持ちを推し量ることから企画は始まるのだから。

我々にはとても大事な教えだと思う。

 

筆:黒沢

 

2022.02.08

映画館で観る映画はやっぱり楽しい

映画館で観る映画は糸を引く。

どうして続けて観たくなるのだろう。

高精細な巨大スクリーンと優れた音響効果、

しかも最近のシネコンは座席も素晴らしいのだから、

1200円(シニア割り)で観られるなら、上等の娯楽と言えよう。

2週続けての映画館に行って観た作品は

『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス イブニング サン別冊』

という奇妙なタイトルの映画。

あの名作「グランドブタペストホテル」のウェス・アンダーソン監督による第10作目だ。

作品解説(公式Hp ※画像含む)によると、

“第74回カンヌ国際映画祭に正式出品され、

上映後は約9分間もの熱いスタンディングオベーションで讃えられた、

ウェス・アンダーソン監督最新作が遂に日本に登場!

物語の舞台は、20世紀フランスの架空の街にある「フレンチ・ディスパッチ」誌の編集部。

米国新聞社の支社が発行する雑誌で、

アメリカ生まれの名物編集長が集めた一癖も二癖もある才能豊かな記者たちが活躍。

国際問題からアート、ファッションから美食に至るまで深く斬り込んだ

唯一無二の記事で人気を獲得している。

ところが、編集長が仕事中に心臓まひで急死、彼の遺言によって廃刊が決まる。

果たして、何が飛び出すか分からない編集長の追悼号にして最終号の、

思いがけないほどおかしく、思いがけないほど泣ける、その全貌とは──?”

とのこと。

全貌は、ここでは語らないが、個人的感想を述べると、

この監督のアートな世界観が全編に貫かれ、

まるで美術作品を鑑賞しているかのような画作りになっていて

サブタイトル(字幕)を追っているのがもったいないほどだ。

こんな世界観をフィルムにしっかり焼き付けていく作り込みの精緻さにも脱帽。

さらに、キャスト陣がその世界の住人たちとしてとてもマッチしていた。

この作品にはきっと強いメッセージや奥深いストーリーがあるのだろうが、

そんなことに意識が及ばないくらいビジュアルとしてのインパクトが強烈だった。

やはりウェス・アンダーソン監督は奇才と言えよう。

コロナ禍の中、パリへの郷愁が高まった映画だった。

 

筆:黒沢

 

 

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