株式会社POWWOW Planning & Produce

 
 

2021.08.17

ふるさと納税への違和感

暑い日が続いていたかと思うと

ここ数日、豪雨続きで日本列島全体が冷たく沈んでいる。

一刻も早い天候回復と災害地域の救難を願う。

さて、今日17日の日経新聞朝刊5P「底流」で、

ふるさと納税への意見記事が掲載されていた。

ここ数年、このふるさと納税の制度は多方面から人気を博し

寄付金も年々多額になり概ね高評価の制度として確たる地位を築いているように見えた。

実は、私はふるさと納税反対の立場なのだけれど、

世間ではあまり反対意見は取り上げられておらず、(反対意見記事は存在)

制度の活用法などが頻繁にネットなどで取り上げられていることに

大きな違和感を感じていたのだった。

今日の記事では、「勝者なき財源争奮戦」との見出しで、

最後に「ならしてみれば皆が損しているような寄付金税制は果たしてどこまで持続可能なのか。」

と締めくくられている。

詳しい内容は実際の記事を読んでもらいたいのだが、

私の違和感をまさにうまく言い当ててくれている記事である。

いかにも個人として地方を応援している善意の気持ちにさせつつ、

またどこかの特産品のある地方自治体があり得ないような額の寄付で潤い、

さもみんなハッピーになっているようにみせて、

実は日本国総体としての税収が大きく減っていく。

儲かっているのはふるさと納税のポータルサイトと人気特産品提供会社なのだろう。

納税という趣旨から大きく逸脱した制度だと心から思う。

この制度は当時総務省大臣だった菅義偉首相の肝いりで創設されたと

彼の実績としてでも語られている。

しかも当時導入に反対した官僚を左遷してまで、と。

いまコロナ禍の中、さらに急激な感染拡大で日本中が災害級の危機に陥っている中、

ピントの大きくずれた愚策だけを続けている政府への違和感は、

まさにふるさと納税に抱く違和感と質を同じにしているように思えてならない。

誰のために、なんのために、その利益はあるのか?

しっかりと考えていきたい。

筆:黒沢

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