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2018.09.21

稀勢の里が愛される理由とは

大相撲秋場所も後半戦に入り、残すところあと3日。

相変わらず稀勢の里がニュースで取り上げられている。

一昨日は逸ノ城にあっけなく敗れ3敗目となったが、

昨日は御嶽海を寄り切り白星を掴み9勝目。

今日は全勝の白鵬との大一番が待っている。

今場所、稀勢の里は自身の命運をかけた場所。

日々の取り組みを経て、

なんとかなんとか10日目で勝ち越して、

いまにも切れそうだった綱が繋がって、

多くの人たちがホッと胸をなでおろしていることだろう。

実は私もその一人なのだ。

普段、スポーツは一人称で楽しみ、観戦はあまり興味のない自分だが、

稀勢の里だけにはどうしてそんな気持ちにさせられるのか。

まるで会社の浮沈に影響する大事なコンペが獲れてホッとしている時の気分のようだ。

なぜ、これほど稀勢の里が多くの人たちの気持ちを掴むのか?

私が考えるに大きく3つの要素が考えられる。

まず、相撲への取り組み姿勢。

大関時代からここ一発のときにしくじってしまう、なんともやるせないところがありつつも、

それにめげず一生懸命に打ち込み続けてやっと結果を出す、そのひたむきな相撲に向き合う姿勢。

ふたつめは、その性格が表わす表情。

口数少なく、むっつりしていて、どこを見てるか、何を考えているか、

ぜんぜんわからないとぼけた表情。その憎めない愛らしさ。

実は、怒りや興奮を心の内に抑えて平静にふるまう自己抑制力の効いた表情とも言えるだろう。

某総理大臣もこのくらいの度量を持て欲しいとつくづく思う。

そしてダメ押しが、輝く頂点で怪我に見舞われた苦難。

多くの外国人力士が活躍するいま、もう日本人の横綱は無理なのか、

と諦めていた時にやっと勝ち取った最高位もつかの間、

大きな期待に無理して応えた結果のあの怪我と今日までの長い長い苦難の道のり。

この何とも言えない不運が我々の心を大きく揺さぶっている。

これら3つの要素をまとめて 言えば、

けっして天性のスターではないけれど、

我慢強い心と七転び八起きの努力で不運を乗り越える庶民のヒーロー。

そう、稀勢の里は、まさに日本人の精神性をくすぐるツボなのだ。

こんなヒーローはアニメでもそうそう無い!

稀勢の里に続こう!

※写真は3日目の豊山戦。突き落としで稀勢の里に白星。

筆:黒沢