お盆に実家に帰り、そのまま鹿児島へと移動。
友人(高校からの友人で今は東京に住んでいる)とは夕方に鹿児島中央駅で待ち合わせ。
なんとなく船で渡るとだけは決めていた。
とりあえず、少しの予備知識は必要だろうと、屋久島ガイドブックを購入。
昔から行きたかった縄文杉ではあるが、近くまでバスで行けて歩いて20分30分かなと
勝手に今まで思っていたのが甘かった。片道4~5時間!
まぁ、なんとかなるさ。

この日、船は終了していたので、友人と安いビジネスホテルを探し、
景気づけに一杯やろうと街に出る。
入ったのは、裏路地にあるひっそり佇む焼き鳥屋さん。
誰もいない店のカウンターで二人で乾杯。いつものようにぐでぐでと飲みはじめる。
そこへ、美人なオネーちゃんを同伴したちょいワルオヤジ(死語)が入ってきた。
建設会社の社長というそのオヤジは、40過ぎにして30手前の僕らよりはるかに
ギラギラとしていた。
最初は別々に話していたものの、店長が客席で一緒に飲み始め、いつの間にか全員で
トークすることに。
酔っ払いの話すことなんかどこでも一緒。
若い頃の武勇伝・結婚・恋愛・仕事・・・・
そして、いろいろ話すと店長も社長もオネーちゃんも東京出戻り組み。
地方出身東京在住者の僕と友人。人生についてしみじみ考える。
しばらく杯を交わした後、『よい旅を』という言葉と、『気持ちだ』という飲み代を残して
そのオヤジはオネーちゃんと共に夜の街へ消えていった。
学生風社会人2名(僕と友人)、店長と店員、建設会社の社長と同伴のオネーちゃん。
変な空間だったが、なんとも言えぬ空間だった。

そして、肝心の屋久島行きだが、このお店に来たことで話はとんとん拍子に進んだ。
「フェリーで屋久島に行く予定。宿は着いてから探す。」と店長に告げると
「知り合いがいるから宿を紹介してもらうわ。」と屋久島にいる知人に電話して
宿ゲット。
そして「もうちょっとで、フェリーの運行会社で働いてる人が飲みに来るから紹介する」
との一言。
その人が来て、店長がいきさつを話すと、
「とりあえず2等のチケット買って、乗るときに船長風なチケットもぎりのおっさんに
『○○さんの紹介で』って声をかけてみて。」
と告げられる。
人生一期一会。思わぬ出会いが旅を楽しくする。
そのあともやんややんやと会話をし、ほどほどに酔っ払ったあと、店を後にする。
明日はいよいよ屋久島へ渡る。
・・・つづく。
筆:三木